日本の東にある低気圧が急速に発達した影響で、27日は全国各地で北からの強い風が吹いた。看板の落下や交通機関の乱れなどが相次いだ。
JR池袋駅(東京都豊島区)東口近くでは27日午後0時半ごろ、ビル7階部分に設置された看板の一部が強風の影響ではがれ飛んだ。警視庁池袋署によると、看板は縦1メートル、横40センチ。歩道上に落下したが、けが人はいなかった。
東京都渋谷区円山町の道玄坂では27日午前9時40分ごろ、「街灯が倒れている」と近くの交番に目撃者が伝えた。近くの歩道に設置された高さ約5メートルの鉄製の街灯が根元から折れ、歩道上に倒れていた。けが人はいなかった。警視庁は強風で倒れたとみている。近くの工事現場で働く男性(75)は「バーンと大きな音がして、振り返ると街灯が倒れていた。朝からずっと強風が続いている。いつもに比べてだいぶ強い」と話した。
日本航空によると、27日午後3時現在、羽田発着の48便が強風のため欠航し、計約6580人に影響が出た。全日空でも27日午後4時現在、羽田発着の23便が強風のため欠航し、計約3500人に影響が出た。
首都圏の列車のダイヤも乱れた。JR東日本によると、強風の影響で、川越線(大宮―川越)の31本、武蔵野線(東所沢―南越谷)の39本、宇都宮線(宇都宮―黒磯)の7本、高崎線(大宮―高崎)の4本について運転を見合わせ、計約3万200人に影響が出た。
運行の遅れは27日正午現在、武蔵野線の上下線の一部で90分、宇都宮線(宇都宮―黒磯)の上下線の一部で55分、東海道線の上下線の一部で40分など。
東北新幹線でも27日午前、郡山―大宮間で速度を落として運転し、上下線の計8本で最大27分の遅れが出た。
西武鉄道によると、多摩川線の新小金井―多磨間で、架線に大きなポリ袋のようなものがぶら下がり、27日午後0時12分ごろから約1時間、武蔵境―是政間の運転を見合わせた。強風の影響とみられるという。
気象庁によると、27日は日本の東にある低気圧が急速に発達している影響で、関東を中心に北からの強い風が吹いた。午後5時までの最大瞬間風速は栃木県那須町30・7メートル、東京都心26・2メートル、愛知県常滑市21・6メートル、福井県小浜市22・6メートル、宮崎県延岡市20・8メートルなど。東京都八王子市(28・1メートル)など14地点で2月の観測史上最大となった。
27日午後には低気圧が遠ざかるため風は一時的に弱まるものの、三陸沖の別の低気圧が関東に接近して、夜にかけて再び風が強い状態になる見込みだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル